ざっくり書籍レビュー「夜と霧」著者ヴィクトル・E・フランクル

こんにちはノッポです

今回のざっくり書籍レビューは第二次世界大戦のナチスのアウシュヴィッツ強制収容所で行われていた、この世のものとは思えないほどの地獄を生き抜き、また著者フランクル本人は心理学者であり、心理学の観点からアウシュヴィッツ強制収容所の中で暮らす人々を冷静に分析して書かれた「夜と霧」です。

この本を読んで面白かったという表現はふさわしくありませんが、読んでいると当時の強制収容所での凄惨な状況や、そこで強制労働させられている人たちの極限の緊張感などが生々しく書かれていて、いっきに読んでしまいました。

また強制収容所の中で尊厳が奪われ命が脅かされている極限の状況にあっても、人を想う気持ちだったり生きる意味を見いだすなど、現代を生きる私達の心に刺さる名言がたくさんありました!

今回は心に残った名言の箇所からざっくり書籍レビューしたいと思います!!

「愛は人間の実存が高く翔り得る最後のものであり、最高のものである」

アウシュヴィッツでの過酷な労働生活の中で、著者フランクルはどのように耐えてきたのか?

毎日死の選別がおこなわれ、食事も薄いスープや一切れのパンで人間が生命を維持できる最低限しか与えられず、看視兵からの日常的な暴力を受けながらの重労働!!

このような最悪な外的状況で、収容生活をよりよく耐え得た理由を自身の体験をもとに書かれていました。



フランクルは早朝収容所から「作業場」へ向かっていきました。

この「作業場」へ向かう時にピンとしっかりして五列になって行進していないと長靴でひどく蹴られたり、また、寒いからといって帽子をすっぽりとかぶりでもしようものなら、もっとひどい目に遭わされました。

そんな中で仲間の一人がフランクルに呟きました。

「なあ君、もしわれわれの女房が今われわれを見たとしたら!多分彼女の収容所はもっといいだろう。彼女が今われわれの状態を少しも知らないといいのだが。」

するとフランクルの目の前に妻の面影がたったのである。

何キロも雪の中を歩いたり、凍った場所を滑ったり、互いに支え合いながら転んだりして、よろめき進んでいる間でも、目の前の妻の面影に満たされていたのでした。

そして私の精神は、それが以前の正常な生活では決して知らなかった驚くべき生き生きとした想像の中で作り上げた面影によって満たされていたのである。
私は妻と語った。私は彼女が答えるのを聞き、彼女が微笑するのをみる。私は彼女の励まし勇気づける眼差しを見る。

この時フランクルの心を支えたのは、温かい食事や高級車などではなく、愛する妻の微笑みでした。

最悪な外的状況の中で体験したこのときの事をフランクルは次のように述べています。

その時私の身をふるわし私を貫いた考えは、多くの思想家が叡智の極みとして生涯から生み出し、多くの詩人がそれについて歌ったあの真理を、産まれて初めてつくづくと味わったということであった。
すなわち愛は結局人間の実存が高く翔り得る最後のものであり、最高のものであるという真理である。

この地上に何も残っていなくても、人間はほんの一瞬でも、愛する人の像に心の底深く身を捧げることによって浄福になり得るということが記されていました。

「人生に意味を問うのではなく、人生が問う意味に応えて生きていく」

収容所の生活で希望を見出すことはとても難しいことでした。

ここでは人間の尊厳が奪われ、暴力が横行していて、内面的にも外的にも限界なのに終わりも見えない毎日で「私はもはや人生から期待すべきなにものも持っていないのだ」と嘆く人が多かったのです。

この問に心理学者でもある著者フランクルはどう応えたのか?

ここで必要なのは生命の意味についての問の観点変更なのである。 すなわち人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。
その事をわれわれは学ばなければならず、また絶望している人間に教えなければならないのである。

終わりの見えない苦難の日々に絶望して、自分の人生の意味を見いだせなくなるのではなくて、人生が毎日毎時出してくる問に、詮索や口先だけでなくて、正しいと思う行為によって応答しなければならないと述べています。

このような考えは現代を生きる我々にも必要な考え方だと思いました。

アウシュヴィッツほどの困難ではないですが、私達にも度重なる失敗に心が折れて人生に失望してしまうことがあるかもしれませんが、今ある失敗という事実だけを受け止めるのではなくて、自分の人生に起こった失敗という問いに応えていこうと思えばポジティブに行動できるのではないのでしょうか!

まとめ

今回アウシュヴィッツ収容所の人類の汚点とも言える出来事について書かれた「夜と霧」をよみましたが、目を背けたくなるようなグロテスクな描写や、人間がここまで非道になれるのかと思うような行為、また人の尊厳を奪う不快な行いなど、人間の負の側面を見ました。

しかしその反面、そのような極限状態にありながらも、希望を捨てずに知恵を絞り出し生き残ろうとする姿勢や、同じ境遇にも関わらず他人に対する思いやりのある行動など、どんな状況にあっても人間らしさを無くさなかった所に感動しました。

また同じナチスの 看視兵 でもユダヤ人の境遇に憐れみを示して、優しく接してくれる人や、逆に囚人の中から選ばれる同じ囚人を見張る役に選ばれた「カポー」から暴行を受けるなど、ユダヤ人にもナチスにも良い人と悪い人が混在していました。

今のコロナ過の苦境に立たされている私達にも力をくれる一冊ではないでしょうか!

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