ざっくり書籍レビュー「選択の科学」著者シーナ・アイエンガー

こんにちはノッポです

今回の書籍レビューは厳格なシーク教徒の家庭に産まれ、両親が着るものから結婚相手まで宗教の習慣で決められてきたのを見てきたにも関わらずに「選択」という研究の第一人者となった著者シーナ・アイエンガーの「選択の科学」です。

私達は毎日選択の連続の中で生活しています。

日々している選択はベストなのか?いま自分がしている選択は本当に自分の考えで決めたものなのか?

この本は「選択」というテーマを著者が20年以上実験を行ってまとめ上げた本です。

.今回も気になった講を3つ取り上げてざっくり書籍レビューしたいと思います。

【第一講】選択は本能である

動物園の動物はなぜ寿命が短いのか

動物園では外敵の心配もなく、食料も毎日食いっぱぐれることもなく、一見野生の動物より環境が良いようにも思いますが…

野生のアフリカゾウの平均寿命は56歳に対して、動物園のアフリカゾウは17歳だったり、パンダの出生率数の減少、高い乳児死亡率などの問題が起こっています。

こうした問題の原因として著者アイエンガーは次のように述べています。

動物園は物質的な快適さを提供し、動物の自然生息環境をできるだけ忠実に再現しようと奮闘している。
だがどんなに進んだ動物園であっても、動物が野生で経験するような刺激や、自然な本能を発揮する機会を与えることはできない。

自己決定権を奪われた動物たちのストレスは凄まじく、「選択」するという行為は生きていく上で重要な行為だと言えます。

社長は長生きする

動物のように私達は檻に監禁されたりはしていませんが、社会で生活していく上で、個人の選択を部分的に制限するような体制を自ら進んで生み出し、それに従って生きています。

このような社会で、雇われていて「選択」の自由が制限されている人と、社長のような立場でプレッシャーが多くても、多くの決定権がある人とでは、健康にどのような影響を及ぼすかを、

ロンドン大学ユニーバーシティ・カレッジのマイケル・マーモット教授が数十年にわたって研究している。

収入の高い仕事ほどプレッシャーが大きいにもかかわらず、冠状動脈性心臓病で死亡する確率は、最も低い職業階層の公務員(ドアマンなど)が、最も高い階層の公務員の三倍も高かったのだ。

仕事の采配などを握っている自己決定権が高い階層の人に比べて、その部下や、低い階層の人達の健康リスクが高いという結果がでたのです。

【第三講】「強制」された選択

人はその他大勢と見られることに我慢できない

人間は皆他人とは違う特別な存在であると信じています。

自分のことは隅々までよく知っていて、何を考え何をしてどう過ごしているなど、自分のことを熟知しているからこそ、誰一人として自分と同じ考えの者はいないと断言できるのです。

しかしあまりにもユニークなものには興ざめしてしまうものです。

このことは「選択」にも大きく影響してきます。

その他大勢と見られることに我慢できないからといって気づかないうちに「選択」を変えてしまってるのではないでしょうか?

自己は動的なプロセスである

本当の自分を探し、その自分に合った選択を行うのは至難の業です。

「自分はこうゆう人物だから、これを選択するべきだ」、「これを選択する自分は、こんな人物なのかもしれない」など私達は歳を重ねるにつれて理想の自分と、現実の自分の折り合いをつけていきます。

著者アイエンガーは、選択が単に個人的行動というわけではなく、社会的行動、つまり多くの「可動部分」との駆け引きであると述べています。

私達の選択は、他者の選択といつも結びついている。
そして他者の目に映る自分は、内なる想像上の完璧な自分ではなく、これまでとこれからの選択の積み重ねとしての自分なのだ。

【第七講】選択の代償

我が子の生死を選択する

はたして自分自身の意志で選択を行うということが、いつもいい結果が得られる行為でしょうか?

この講では、例え話としてジュリーという早産で生まれた女の赤ちゃんの話が挙げられています。

ジュリーは妊娠27週めに、体重わずか900gで産まれ、脳内出血をおこして危篤状態にある。

現在著名な大学病院の新生児集中治療室(NICU)で治療を受けており、人工呼吸器で生命を維持している。

あなたは医師にこのまま危篤状態が続けば、ジュリーは深刻な神経障害を残し、命を取り留めたとしても生涯寝たきりで、喋ることも歩くことも、意思疎通もできないだろうと宣告された。

この親なら誰でも極限のストレスを感じる状態で、この講では3つのシナリオがありました。

1.医師は親にほとんど情報を開示せずに、自ら最終判断を下した。

2.医師団から、考えられる方針と、それぞれの方針がもたらす結果に関する説明を受けた後、医師団が決定を下した。

3.医師は親に必要な情報をすべて提示して、最終判断を親に委ねた。

この3つの「選択」のうち、もっとも深く傷つき、長い悲しみに襲われた夫婦は「3.」の選択をした夫婦だった。

選択は痛みをともなう

ここまでの3つのシナリオ「情報なし、選択権無し」「情報あり、選択権無し」「情報あり、選択権あり」で、コロンビア大学で調査を行った。

結果、 「情報あり、選択権無し」 が持っていた否定的感情は、 「情報あり、選択権あり」 ほど強くないことが明らかになった。

「情報なし、選択権無し」と「情報あり、選択権無し」 は、同じぐらいの強さだった。

このことから最終判断を医師が下しても、患者側に治療の選択肢を提示することで、状況のもたらす悪影響を和らげることが明らかになった。

また最終判断を自ら下した患者側は、自分の選択が正しかったと強く感じている反面、辛い気持ちを人一倍感じていたという結果になった。

まとめ

今回は著者シーナ・アイエンガーの「選択の科学」を読んで、日常でしている選択について深く考えること、または「選択」について自分なりに哲学するいい機会になりました!!

自分の意志で選択しているつもりでも外部の影響を大きく受けていたり、自分で選択することによって、大きなコストがかかったり、自分自身が傷ついてしまうなど、自己決定権のあり方についても勉強になりました。

ビジネス書としてだけではなく、日頃の生活にもおおいに役立つ良い書籍だと思います!

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