こんにちはノッポです٩( ᐛ )و
2020年4月29日現在、地球規模でのコロナウィルスの蔓延で自粛が求められているので、自宅で前から読みたかったイスラエルの歴史学者のユヴァル ノア ハラリさんが書いた「サピエンス全史」をついに読みました!
文明の構造と人類の幸福というスケールの大きい題材になっていて私達ホモ・サピエンスがどのようにして食物連鎖の頂点に立ち、そして文明を築いたのかを歴史的に解明しています!読む前からワクワクでした!
そんなサピエンス全史をざっくりまとめました!
『サピエンス全史 上巻 下巻』は人類が進化する過程で起きた3つの重要な革命を軸に語られます。
上巻には「認知革命」と「農業革命」について主に書かれていて、下巻には「科学革命」について書かれています。
今回は上巻の「認知革命」と「農業革命」についてと、僕が一番興味深かった「虚構(架空の出来事)」については僕なりの解釈も踏まえながら書きたいと思います。
目次
・7万年前の「認知革命」 ・1万年前の「農業革命」 ・人類は他の種族を滅ぼして進化した ・虚構について ・まとめ |
7万年前の「認知革命」
7万年前にホモ・サピエンス(僕達人類)が突如「虚構」=架空の出来事、を語れたり信じたりする事ができるようになりました。ホモ・サピエンス以外の他の猿人類(ネアンデルタール人など)は実際に目にしたもの以外は考えられないのに対して認知革命が起きた我々のご先祖様ホモ・サピエンスは噂話や架空のストーリーを想像し、それを仲間と意思疎通する事で他の猿人類よりも大人数で協力して戦うことができ生存競争を生き抜いてきました。
また「虚構」とは宗教、政治、神話、金などの事も指しており、私達が絶対的に価値があると思っているお金でさえも人々の信じる力に支えられた虚構の物なのです。
1万年前の「農業革命」
農業革命とは今まで送っていた狩猟採集生活から、農業によって一定の場所で定住生活に移行していくことです。麦などの穀物を自分達の手で栽培すれば安定した食料の供給が実現しそうですがサピエンス全史ではまったく逆の見解でした。
「農業革命は、安楽に暮らせる新しい時代の到来を告げるにはほど遠く、農耕民は狩猟採集民よりも一般に困難で、満足度の低い生活を余儀なくされた。狩猟採集民は、もっと刺激的で多様な時間を送り、餓えや病気の危険が小さかった。」と記されており、また「農業革命は、史上最大の詐欺だったのだ。」とまで言い切っています!
小麦や稲やジャガイモは人が操って栽培していたのではなく人はそのような植物に依存した事で逆にホモ・サピエンスが土を耕し水を運ぶ事に時間を取られて、それらに家畜化されたのです。
また穀物や土地をめぐっての他の地域との争いも増え、村の中でも裕福な層や奴隷といった階級の差別も出てきました。
人類は他の種族を滅ぼして進化した
私たちが歴史で習っていたのは先祖のホモ・サピエンス(ホモ=人の意 サピエンス=賢い)一種族が長い年月をかけて進化をして今の私達の形に至っているというものでしたが、このサピエンス全史ではそうでは無くホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデル谷(タール)出身の人の意)やホモ・エレクトス(直立した人の意)などの他のホモ族を滅ぼしてサピエンスだけが生き残ったというものでした。
ホモ・サピエンスは他の種族に比べて特別力が強かった訳でも無く、知能が発達していた訳でもありませんでしたが、7万年前に起きた「認知革命」のおかげで大勢で協力することによって他の種族を打ち負かしていきました。
例えば一人のサピエンスが「絶対に負けない強いサピエンスがいる!」と伝えてそのサピエンスがそれを信じ、さらに他のサピエンスとその情報を共感できたら、その見たこともない「虚構」の強いサピエンスがいれば負けないと信じて何百ものサピエンス同士の協力が可能になりました!
虚構について
この「サピエンス全史」を読み進めていく上で最も面白くて大切なことは、「虚構」について理解しておくことだと思います。
虚構とはフィクションのこと、そしてそれを信じさらに仲間とそのストーリーを共有することによってお互いが協力して、敵を打ち負かしたり、帝国を築いて運営していくことができます!
お金はただの紙切れなのに人々はその紙に価値があることを疑いません、私達はこの紙に価値があることを共通認識して虚構の物を共有しているのでこのシステムが成り立っているのです。
帝国では人々をまとめるには「虚構」の力は無くてはならない物でした。
一番わかりやすいのはキリスト教の「聖書」ではないでしょうか?聖書にはイエスキリストのストーリーが記されており、人類の為に自らの命を投げうってくれたキリストのことを考えれば、聖書に反した行いをすれば周りからも裁かれますし、自分の中にも罪悪感が芽生えるのではないでしょうか?
こうしたことによって聖書に書いてあるから「物を盗んではいけない」とか「人を裏切ってはいけない」と秩序を守ることができていました。
しかし考えの違う別の宗教と殺しあったり、聖書の中でも解釈の違いで分裂して争っていたりといまだに問題を抱えています。
人類はこの「虚構」という強くもあり危なくもある諸刃の剣を使い、他の生物より圧倒的に繁栄して来ました!
まとめ
ここまでサピエンス全史上巻を読み終わりましたが…
なかなかのボリューム!!自粛ムードのこの連休じゃなかったらこんなに一気に読めきれませんでした!笑
しかし内容はとても興味深く、著者のハラリさんも文章の中にユーモアがあり思わずニヤニヤしてしまう場面も。笑
人類の歴史をこのような(ある意味今までタブーとされていた)角度から読み解くこの書籍はスリリングであり、「なるほど!」と納得のいく答えが詰まった新しい教科書のようでもありました。
僕もまた読み返して新しい発見や理解を深めていきたいと思います。
これから読む下巻はついに「科学革命」に突入!
ハラリさんから見るこれからの人類の未来はどのように写っているのか!また化学が人類にもたらしたものとは!
楽しみです!(めっちゃ長いけど)